堀川 琢義 OFFICIAL BLOG
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この3年間、毎朝出かける時、窓から小さい手を振って二人の子供が僕を見送ってくれる。それに答えて、振返り振返り手を振るんだけど、窓が見えなくなる所まで歩くには結構な距離を歩かないといけないので、後に知らない人がいたりすると結構恥ずかしかったりする。ただいつか、意外と近い将来、そんな事は贅沢な悩みだったと感じる日が来るんだろうと思うと、やっぱり今日も振返り振返り手を振って会社に出かけた。
勤めだすまでは、だいたい5時には帰ってきた僕が、ある日を境に帰ってくるのが10時や11時になって、子供と会えるのは朝だけになった時、上の子は随分寂しい思いをしたと思う。いつだったかの雨の日の夜、明日香がいつもバイバイする窓から外を見ながら
「アメがやんだらパパかえってくるかなあ」ってママに言ったんだそう。かわいいなあ。その替わり、毎日ママが一緒にいてくれるようになったんだよ。
一度、ママと二人の子供が1週間くらい、ママの実家に帰省した事があった。その間、僕はひとりでのびのび暮らしてたんだけど、ある日の朝出かける時、なんとなく誰もいない窓を見てみたら、何か字の書いてある紙が貼ってあるのが見えた。夜、帰って確かめてみると、かわいい文字で、
『バイバイしてもだれもいません』って書いてあった。



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サラリーマン

2007年に、僕はサラリーマンになった。

新しい事をたくさん知った。仕入れを差し引いた純利益がいくらになって、今回泣いとけば次にいくら儲けられるとか、あっちの顔もこっちの顔も立ててたら自分がぺっちゃんこになる事や、誰が見てるどんな夢だって全部、この仕組みから出来てるってことも。


昔、2004年に階段から落ちて亡くなった僕の好きな作家、中島らもの死後、開催された中島らも展に行った事がある。直筆の原稿や、中島らもの愛用していたギターやシタールとの中にうもれて、中島らもの奥さんが寄せた文章が公開されていた。そこにはうる覚えだけど
“私はスーツを着て毎朝会社に行く敏腕サラリーマン時代のらもも、カッコよくて好きでした”って書かれていたのを覚えている。


やるからには敏腕サラリーマンになろうと思った。

奥さんや二人の子供に、パパカッコいいねって言われるようなサラリーマンになろうと思った。


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花火大会

多摩川の花火大会に行ってきた
多摩川の河川敷で見る花火大会は
それ以外にも見所がたくさんある
広い空の夕焼けとか
去年は夜の暗さに怯えていた
娘のはしゃぎっぷりとか
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木の枝を良く見ると
木と木の間に均等に隙間ができて
道みたいになっている
木がどうやって隣の木を見ているのか分からないけど
木はちゃんと周りに気を配りながら伸びている
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父親

つい最近、お父さんと話してる時に、こんな事を言っていた。
「あんな、子供はどんなかわいがっても、最後は絶対にお母さんのとこへ行くんや」

最近、3歳になった明日香はめちゃくちゃパパっ子になっている。
そりゃもう、奥さんがへこむくらいパパっ子だ。
でも、お父さんが言ってた事は本当によく分かる。なにせ僕と姉の事を言ってるんだから。
例えば明日香は毎日パパ、パパ言っていても、夜中、急にお腹が痛くなったりしたら隣に寝てる僕を軽く飛び越えてママに痛みを訴える。「わし、信用ないなあ」なんて思いながらも、そのまま昔の自分を見てるみたいだ。

世の中の母さんを見ていても、とても父親には言えない辛辣な言葉をビュンビュン子供に言ってる姿を見る事がある。「ちょっとそれ言い過ぎじゃないっすか??」なんて思うのは、いつだってその、母親と子供の信頼関係を真に理解できていない父親の方だ。正確には、かつて理解していたはずなんだけど、それを目の前の子供に当てはめられない。

ちなみに僕のお父さんはそう言っていたけど、子供の頃の僕にとって、お父さんはスーパーマンだった。困った時にお父さんが出てきて解決しなかった事なんてひとつもなかった気がする。
そうか、父親は母親にはなれないけど、スーパーマンにはなれるんだな。



 
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4月
 
もう4月になってしまった
ふたりの子供が入園したり
かわいがってた姪が卒園したり
友達が群馬に帰ったり
仕事でどっか行っちゃったり

結局自分の足でしか未来は歩けない
変わりたかった人も
変わりたくなかった人も
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芽生(めい)

「下の子ができた時って、上の子がヤキモチを焼くから、最初の3ヶ月は上の子を思いっきりかわいがってあげた方がいい」って人に言われて、それをそのまま実践していたら、芽生がニコニコ笑いながら、あーあー言ってるのを見てびっくりしてしまった。あれ?転がってるだけの赤ちゃん時代がもう終わってる!

二人目って成長が早い。そう思っている僕はきっと一度通った道をもう一度歩くみたいに、たくさんの芽生のらしさを見落としてしまっているのかもしれない。それは僕にとっても、とてももったいない事だと思う。芽生は芽生の道を歩いているんだから。

そんなことを反省しつつ、たった今、芽生を見てびっくりしてしまった。めちゃめちゃ安定感のあるお座りをしながら、おもちゃで遊んでいる。これはいつからだ??明日香の時はお座りまであんな長かったのに。これからはもっと注意深く芽生の様子を見ていよう。

 
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会話

明日香がしゃべれるようになってから、子育てってものに悩む事が随分減った気がする。
明日香はもう、嫌な事は嫌って言うし、嬉しい時は嬉しい、悲しい時は悲しいとはっきり言う。
のどが痛いとか、おしっこがしたいとか、おなかが減ったとか。
それが僕をこんなに楽にしてくれるとは正直思っていなかった。

明日香がまだ赤ちゃんの時、寒いか暑いかも分からなくて夜中に何度も目が覚めたり、何も言えない明日香だけど、きっと寂しい思いをさせてるんじゃないかと考えている時はやっぱりしんどかったし、どこかで明日香の気持ちの先回りをしてあげなければいけないと思い込んでいた。そんなこと僕には間違いなく無理なのに。最初の子ならではの葛藤と言えばそうなんだけど。

今、明日香は感じた事をそのまましゃべってくれる。かわいい事もにくたらしい事も、なんでも。
これから将来、どんな事が起きたとしても僕は明日香と話し合って解決ができる。
それがこんなにも可能性の広がる事だっていうのは明日香が生まれて初めて知った。



2006.4.15
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入園

去年の3月から奥さんは仕事を辞めてずっと子供と一緒に暮らした。
明日香にとって、こんなにママと一緒にいれたのは生まれて始めての事だったと思う。やっとお母さんとべったり遊べた明日香が、また今年の4月から幼稚園に入園となると、きっと嫌がるだろうな、それを連れていくのは僕の役目だから気が重くて、3月はその事ばかり考えてた気がする。それこそ明日香が急に逃げ出して、道路に飛び出してしまう事までシュミレーションして幼稚園への道順を考えたりした。

ところがいざ始まってみると、明日香は初日から余裕で登園してくれている。担任の先生からも、「明日香ちゃんのダンスはノリノリですよ」「いつもニコニコしてくれるんです」なんて言われて、明日香は一人じゃなんにもできないと思っていた自分が急に親バカ丸出しで恥ずかしくなった。明日香はいつまでもあの頃のままじゃない。

もっとも、明日香はパパの前ではキャラが違うとよく人に言われてて、僕もそんなことは全部お見通しですなんて思ってたんだけど、こっそりのぞいた幼稚園での明日香を見ていると、僕の思っている明日香と明日香本人は、いつのまにかこんなにも違っていたのかと驚くばかりだ。
自分でなんでもできるじゃないの明日香ちゃん。ちっくしょ、パパだまされてたぞ。


 
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昔の友達

連絡も取れなくなって、どこに行っちゃったかも分からない友達ってたくさんいるけど、その中で本当にもう一度会いたいって友達は少ないと思う。僕にはそんな友達が一人だけいる。東京に出てきて最初にとても仲よくなった友達。誰も知らない東京に一人で出てきて最初にできた唯一の友達だったから、その時はもうそれがすべてだった。彼女がほしいとか、そんな次元じゃないから。誰かと口がききたいってレベルの所にいたときにできた友達だったから、僕の思いはある意味男と女以上だったかもしれない。
僕らは“RCサクセション”が好きで、一緒にバンドをやろうと、僕の詩に彼が曲をつけるって作業を毎日していた。若さも手伝って、「こ、これは本当にいける!!」なんて新しい歌が出来るたびに僕らは興奮して、録音してはまた新しい歌を作っていた。
僕がたまに実家の大阪に帰っても、大阪の友達に間違えて彼の名前で呼んでしまって嫌な顔をされたりする。そりゃそうなるって。偉そうに話す東京では毎日そいつの名前しか呼んでないんだから。
いつからか、だんだん友達も増えて、お互いが引越しなんかを繰り返している内に連絡がとれなくなって、居場所も分からなくしまったけど、今ごろどうしてるんだろう。
今もあの時買ったギターを大切にしているかなあ。

 
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